歯科関係の方へ
症例2〜59才の女性〜
- 主訴
- 歯肉出血
- 口腔内所見
- 歯肉全体に重度の炎症と2次カリエスが著明で、急性症状を伴っている箇所もあり多量の排膿も認められました。
ポケットは全体に8mm以上形成されていました。
- X-P所見
- 臼歯部は根先部分まで骨吸収が進んでおり、根面は歯石も多量に付着してますが、
慢性炎症から外部吸収されている(カリエス?)可能性も考えられます。
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- 臼歯部は、Extの適応と思われました。
下顎の右下三番は骨吸収が進んでいましたが、
エンドの可能性もあったため、再評価までExtの適応とするか考慮する旨を、了解していただきました。
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- 全体に発赤腫脹が取れて、クレーター状の歯肉になっています。
主訴が歯肉出血でしたので、比較的モチベーションが楽な方でした。
TBIも順調に進み、患者さん自身も歯肉の改善を自覚されていたため、ブラッシングの
励みになっているようでした。
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- 歯肉の状態も大分改善され治療計画も立てられるようになったので、クラウンを外してTEKを入れていったのですが、
患者さんから「なぜ自分の歯じゃないのに虫歯の治療をするのですか?」と質問されました。
もう鼻血がでるほど驚いたのですが、平静を装い「根の部分はご自分の歯ですよ。」などと答えたと思います。
そして更によく話を聞いてみると、以前治療したときにインプラントのような人工的なものをいれたのだと思っていたそうです。
歯根が黒いので見ようによってはそうとれますが、
ことあるごとに写真やレントゲンを使って説明していたつもりでしたので、患者個別のデンタルIQを考慮しなかった私の失敗でした。
この日を境に私はまず患者さんの話を聞くことに比重をおき、単に情報の提供ではなく患者さんから答えを引き出すよう心がけるようになりました。
基本は大切ですね!
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- クレーター状の歯肉も自然な形に近づいてきて、ブラッシングも余裕がでてきたそうです。
下顎の3番もポケットは初診時12mmのポケットがあったのですが3mm以下に治まっています。
考察
- まさか下顎の3番が残ると思いませんでした。
臼歯部のExtに手間取っていて、取りあえずエンドの可能性も考えられたので開放にして
P-curを行ったのですが、その時冗談でなく根先を越して歯石を取りました。
(しかも、外部吸収が始まっていて根面全体が軟象状態でした。)
P-cur後ポケットがなくなったのはタイトになったためと思われ、
骨縁下ポケットが根先部分まであることが推測され、予後に不安は残ります。
(セメント質なんてかけらも残ってなさそう・・・。
ガリガリゴリゴリ30分はかけてスケーリングしたので、患者さんが可哀想でした。)
それともエンドの病巣が初発で、後にペリオの合併症になったのでまだセメント質の汚染がひどくなかったとか・・・
可能性ありますか?